慶應大2017年〔2文字の対称式〕

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問題〔慶應大学2017年〕

\(\displaystyle x, y\) は \(\displaystyle xy+x+y=20\),  \(\displaystyle x^{2}y+xy^{2}=91\) を満たす実数とする. このとき, \(\displaystyle x^{2}+y^{2}=\)であり, \(\displaystyle x^{3}+y^{3}=\)である.

問題分の【実数とする】が重要キーワードです. この時点で【判別式】を意識しておくと良いです. 

POINT

この問題でてくる式は4つの式はすべて対称式です.

\(\displaystyle xy+x+y=20\)

\(\displaystyle x^{2}y+xy^{2}=91\)

\(\displaystyle x^{2}+y^{2}=\)

\(\displaystyle x^{3}+y^{3}=\)

対称式がきたときに考えることは以下の2つです.

① 基本対称式 \(\displaystyle xy, x+y\)で対称式を表せるか

② \(\displaystyle x, y\) が実数のとき, 解と係数の関係より\(\displaystyle x, y\) を 2 解にもつ2次方程式が作る必要があるか

例えば,このようなことです.

解と係数の関係より実数 \(\displaystyle x, y\) を解にもつ2次方程式は以下である.

\(\displaystyle t^{2}-(x+y)t+xy=0\)

また, このとき実数条件より判別式\(\displaystyle D\)について

\(\displaystyle D=(x+y)^{2}-4xy≧0\)が成り立つ.

【解答】

\(\displaystyle x+y=s\)

\(\displaystyle xy=t\) とおく.

\(\displaystyle xy+x+y=20\)

\(\displaystyle x^{2}y+xy^{2}=91\) に代入して

\(\displaystyle xy+x+y=20\)

\(\displaystyle s+t=20\), \(\displaystyle st=91\)

\(\displaystyle s, t\) は2次方程式

\(\displaystyle u^{2}-20u+91=0 \) の 2 解である.

\(\displaystyle u^{2}-20u+91=0 \)

\(\displaystyle (u-13)(u-7)=0 \)

\(\displaystyle u=7, 13\)

この \(\displaystyle u=7, 13\)が, 2次方程式の解, すなわち\(\displaystyle s, t\)です.  

よって,  \(\displaystyle (s, t)=(7, 13), (13, 7)\)

一方,  \(\displaystyle x, y\)は2次方程式

\(\displaystyle v^{2}-sv+t=0\) の2解

\(\displaystyle D≧0\)より

\(\displaystyle D=s^{2}-4t^{2}≧0\)より

これを満たす \(\displaystyle s, t\) は \(\displaystyle (s, t)=(13, 7)\)のみ

すなわち

\(\displaystyle x+y=13\)

\(\displaystyle xy=7\) となる.

よって

\(\displaystyle x^{2}+y^{2}=(x+y)^{2}-2xy=13^{2}-2・7=155\)■

\(\displaystyle x^{3}+y^{3}=(x+y)^{3}-3xy(x+y)=13^{3}-3・7・13=1924\)■

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この記事を書いた人

数学講師10年以上。大学入試、高校数学問題の「練習」によければつかってください!記事中の間違え、計算ミスやわかりにくい所はお問い合わせからご指摘いただければ幸いです。お気軽にご連絡ください。

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