一橋大学2005年〔整数問題〕

思考力(2.5)
知識力(3.0)
計算力(2.0)
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問題〔一橋大学2005年〕

(1)\(\displaystyle p, 2p+1, 4p+1\) がいずれも素数であるような\(\displaystyle p\) をすべて求めよ.

(2)\(\displaystyle q, 2q+1, 4p-1, 6q-1, 8q+1\) がいずれも素数であるような\(\displaystyle q\) をすべて求めよ.

知識

\(\displaystyle 3\) より大きい素数は \(\displaystyle 3\) の倍数でない.

※当然,5より大きい素数は5の倍数でないし,7より大きい素数は7の倍数ではない.

【解答】

(1)\(\displaystyle p, 2p+1, 4p+1\) がいずれも素数になる\(\displaystyle p\) を求める.

(ア)\(\displaystyle p=2\)のとき

\(\displaystyle (p, 2p+1, 4p+1)=(2, 5, 9 )\) となり不適

(イ)\(\displaystyle p=3\) のとき

\(\displaystyle (p, 2p+1, 4p+1)=(3, 7, 13 )\) となり適している

(ウ) \(\displaystyle p>3\)のとき

よくやるミス

次に,\(\displaystyle p=5\) のときを調べて,さらに\(\displaystyle p=7\) のときを調べて…

というように一つずつ調べていてはキリがないですし,それで解答を作るのは間違えです.

ここでは,

\(\displaystyle p=5, 7\)のときを頭の中で調べてみて

\(\displaystyle (p, 2p+1, 4p+1)=(5, 11, 21 ),(7, 15, 29)\) となり不適になることから

\(\displaystyle p>3\) ときは素数になり得ないと予想をたて,それを示していきます.

素数\(\displaystyle p\) は\(\displaystyle 3\)より大きいので

\(\displaystyle p\) は\(\displaystyle 3\)の倍数ではない.

したがって, \(\displaystyle p=3k+1\),  \(\displaystyle p=3k+2\)とおける( \(\displaystyle k:自然数\))

・\(\displaystyle p=3k+1\)のとき

\(\displaystyle 2p+1=2(3k+1)+1=3(2k+1)\)

となり\(\displaystyle 2p+1\) は\(\displaystyle 3\) の倍数となり素数にはなり得ない

・\(\displaystyle p=3k+2\)のとき

\(\displaystyle 4p+1=4(3k+2)+1=3(4k+3)\)

となり\(\displaystyle 4p+1\) は\(\displaystyle 3\) の倍数となり素数にはなり得ない

以上より\(\displaystyle p>3\)のとき\(\displaystyle p, 2p+1, 4p+1\) が素数になることはない.

(ア)~(ウ)より\(\displaystyle p=3\)■

(2)\(\displaystyle q, 2q+1, 4p-1, 6q-1, 8q+1\) がいずれも素数になる\(\displaystyle q\) を求める.

\(\displaystyle A(q)=(q, 2q+1, 4p-1, 6q-1, 8q+1)\)とおく.

\(\displaystyle (q, 2q+1, 4p-1, 6q-1, 8q+1)\)と書くのが大変なので\(\displaystyle A(q)\) とおいただけです.おかずとも問題ありません.

(エ)\(\displaystyle q=2\) のとき

\(\displaystyle A(2)=(2, 5, 7, 11, 17)\) より適している.

(オ)\(\displaystyle q=3\) のとき

\(\displaystyle A(3)=(3, 5, 7, 17, 25)\) より不適.

(カ)\(\displaystyle q=5\) のとき

\(\displaystyle A(5)=(5, 11, 19, 29, 41)\) より適している

(キ)\(\displaystyle q>5\) のとき

素数\(\displaystyle q\) は\(\displaystyle 5\)より大きいので

\(\displaystyle q\) は\(\displaystyle 5\)の倍数ではない.

したがって, \(\displaystyle q=5k+1\), \(\displaystyle 5k+2\), \(\displaystyle 5k+3\), \(\displaystyle 5k+4\) とおける( \(\displaystyle k:自然数\))

・\(\displaystyle q=5k+1\)のとき

\(\displaystyle 6q-1=6(5k+1)-1=5(6k+1)\)

・\(\displaystyle q=5k+2\)のとき

\(\displaystyle 2q+1=2(5k+2)+1=5(2k+1)\)

・\(\displaystyle q=5k+3\)のとき

\(\displaystyle 8q+1=8(5k+3)+1=5(8k+1)\)

・\(\displaystyle q=5k+4\) のとき

\(\displaystyle 4q-1=4(5k+4)-1=5(4k+3)\)

となりいずれも\(\displaystyle 5\) の倍数となり素数でない

以上より\(\displaystyle q>5\)のとき\(\displaystyle q, 2q+1, 4q-1, 6q-1, 8q+1\) が素数になることはない.

(エ)~(キ)より\(\displaystyle q=2, 5\)■

類題:一橋大学(2014年)

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この記事を書いた人

数学講師10年以上。大学入試、高校数学問題の「練習」によければつかってください!記事中の間違え、計算ミスやわかりにくい所はお問い合わせからご指摘いただければ幸いです。お気軽にご連絡ください。

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